プロジェクトの準備
プロジェクトの準備
発見フェーズでは、Minimum Lovable Product(MLP)に含めるものの優先順位を付けます。一方で、次のフェーズである準備フェーズに向けてチームの準備を整えるために同時に実行できる他の準備アクティビティがいくつかあります。
準備フェーズでは、チームが初めて集まり、プロジェクトを開始し、ソリューションの設計(詳細な設計)をします。 準備では、開発環境やプロジェクト管理ツールが設定されているかどうかなど、プロジェクトを成功させるためのあらゆるものが整っていることを確認します。 Pega Express™の導入手法では、準備状況を確認するためのチェックリストを用意しています。
準備状況チェックリストは、人、プロセス、テクノロジーの3つのカテゴリーを対象とします。
- 人 – プロダクトオーナー、エンドユーザー代表者、ビジネステスターの特定など、成功に向けて適切なプロジェクトチームを集めていることを確認します。 プロジェクトに必要な人材を確保することの詳細については、リソースプランの作成のトピックを参照してください。
- プロセス – プロジェクトのビジョンを文書化し、既存のビジネスプロセスのサンプルを収集し、初期のコミュニケーションと変更管理プランを特定するなど、準備フェーズを円滑に進めるための情報を収集できたことを確認します。 また、セールスからデリバリーへの引き継ぎミーティングを実施すると良いでしょう。
- テクノロジー – 環境、ツール、ハードウェアのサイジングが完了していることを確認します。 次のセクションでは、技術面での準備状況についての詳細を説明します。
前提条件となるアクティビティの完全なリストは、Pega Express Delivery Resources(デリバリーリソース)ページにある準備状況チェックリストでダウンロードできます。
技術的準備状況
プロジェクトチームが、期待されるビジョンと成果の提供に集中できるように、準備フェーズを開始する前に以下の各アクティビティを完了しましょう。 技術的な準備ができているということは、たとえば、チームがワークに取り組む環境がなかったり、ワークを開始するために必要なデータが利用できなかったりした場合に発生する遅延を軽減できるということです。
テクノロジーに関する考慮事項として、以下が挙げられます。
- ホスティング戦略(Pega Cloud、プライベートクラウド、オンプレミス)と必要な環境を確認します。 オンプレミスの場合は、ハードウェアとソフトウェアの購入に必要なリードタイムを決定します。 予想されたリードタイムをプロジェクトのタイムラインに反映させる
- 機能以外の要件を明確化する
- データ移行の必要性とデータクレンジングに関する期待を確認する
- データソース、データサービスを決定します。
- 既存および新規インターフェイスにAPIを取得する
- 納品するインターフェイスについて暫定的な日付を設定し、インターフェイスのオーナーを文書化する
- 最初のテストアプローチに合意します。通常は、反復的なPega Expressテスト戦略を使用します
- インターフェイス、インフラストラクチャ、移行を含む技術的な依存関係のスケジュールを作成します。 このアクションにより、リードタイムが長くなったことが原因で優先しなければならない依存関係を決定します。
- ドキュメントの共有とプロジェクト管理ツール(Pega Agile Studioなど)を確認します。 誰がツールを調達し、「所有」するかを決定します。 Agile Studioを使用する場合は、Pegaチームにツールのプロビジョニングをリクエストしてください。
- 継続的な統合/継続的なデリバリー(CI/CD)ツールを使用してソフトウェアデリバリープロセスのステップを自動化していることを確認します。 Pega Deployment Managerを採用する予定の場合は、PegaチームがCI/CDの設定を行うことを明確にリクエストするようにしてください。
環境
プロジェクトの発見フェーズで最も重要な決定は、ホスティング戦略の確認とプロジェクトに必要な環境の決定です。 このステージで決定したことが、その後のプロジェクト計画やアーキテクチャの決定に影響を与えるため、早期に決定する必要があります。 次を考えてみます。
- 環境は、オンプレミス、Pega Cloud、プライベートクラウドのどれでホストされるか。
- 環境が整うまでに必要なリードタイムはどのくらいか。
準備が始まった時、取り組むソフトウェア環境がチームに揃っているよう、発見フェーズでこれらの質問に回答してみてください。 プロジェクトチームは、1日目に開発環境を用意し、その後すぐにテスト環境を用意して実際にインスプリントテストを行う必要があります。
機能以外の要件とハードウェアのサイジング
ホスティング戦略を決定したら、必要な環境のサイズを見積もる必要があります。 そのためには、機能以外の要件を収集します。 これらの要件は、次のようなインプットを与えてくれます。
- 予想されるケースボリュームはどのくらいか。
- 何人が新しいアプリケーションを使うのか。
- 使用のピークはあるか。
- エンドユーザーはどの程度の応答時間を期待しているか。
機能以外の要件には、ユーザビリティ、アクセシビリティ、セキュリティに関する考慮事項も含まれます。 下記のような例があります。
- 視覚障害のあるユーザーのための特別な要件はあるか。
- 環境がオンプレミスで、デリバリーチームのメンバーの一部がオフショアにいる場合に考慮しなければならないリモートアクセスの問題はあるか。
機能以外の要件を収集したら、その情報をハードウェアサイジングツールに入力します。 これを実行することで、新しいアプリケーションが処理する、予想されるボリュームやトランザクションをサポートするために必要な環境のサイズが計算されます。 機能以外の要件は、アプリケーションの設計に影響を与える重要な情報をプロジェクトチームに提供し、ユーザーストーリーの合格基準の一部としてワークを織り込めるようにします。 サイジングについては、ユーザーストーリーの準備のトピックで詳しく説明しています。
データ
Pegaプラットフォームアプリケーションの3つの柱のうちの1つとして、アプリケーションが必要とするデータを理解することが挙げられます。
以下を実行する必要があります。
- データを移行する必要性や、既存のデータを使用前にクレンジングする必要性があるかどうかを確認する
- データソースを特定し、データサービスを決定し、既存および新規のインターフェイスのAPIを取得し、準備ステージでの技術的な話し合いを予測する
- インターフェイスの成果物の暫定的な日付を入手し、インターフェイスの所有者の責任を最初から明確にする
ツールとアプローチ
1日目にツールを用意しておくと、プロジェクトを時間通りに開始できます。 準備フェーズが始まる前に、これらのツールを設定しておくのがベストプラクティスです。
以下を実行する必要があります。
- インターフェイス、インフラストラクチャ、移行を含む技術的な依存関係のスケジュールを作成します。 スケジュールで、どの依存関係で長いリードタイムと優先順位が必要かを文書化します。
- ドキュメントをどのように共有するのか、どのプロジェクト管理ツールを使用するのか(Pega Agile Studioなど)を確認します。 誰がツールを調達し、管理するかを特定します。 (Pega CloudでAgile Studioを使用する場合は、必ず、Pegaチームがこの設定を行うよう特別なリクエストを出すようにします。)
- ソフトウェアデリバリープロセスのステップを自動化するためのCI/CDツールの使用を確認します。 Pega Deployment Manager™の使用を予定している場合は、Pegaチームにプロビジョニングを依頼します。
- 最初のテストアプローチに合意する
技術的な準備状況はプロジェクトごとに異なるため、このリストはすべてを包括したものではありません。 Pega Express Delivery Resources(デリバリーリソース)ページにある準備状況チェックリストを参照してください。
次の問題に答えて、理解度をチェックしましょう。
このトピックは、下記のモジュールにも含まれています。
- 発見フェーズとMLP v1