pyWorkPage
ケースの動作をデバッグするときは、多くの場合、メモリー内にあるケースデータをクリップボードに表示する必要があります。クリップボードのデータを参照することで、問題の原因を特定しやすくなります。たとえば、「EmployeeFullName」フィールドに、データトランスフォームによって想定外の結果が返される場合があります。クリップボードのコンテンツを確認して、入力プロパティ「EmployeeFirstName」と「EmployeeLastName」のいずれかに想定外の値が含まれていないかどうかを判別します。「EmployeeFirstName」は「Ned」に設定され、「EmployeeLastName」は「Greenbriar」に設定されています。ただし、「EmployeeFullName」はNgという値を返しています。これは「EmployeeEmail」フィールドの最初の2文字です。この結果は想定外のため、次のデバッグステップとしてデータトランスフォームを調べます。
クリップボードでのケースデータの表示
「pyWorkPage」はクリップボード上の特定のページで、ケースの作成日やケースIDなど、ケースの作成中および処理中のデータを保存します。「pyWorkPage」内の埋め込みページは、一連のケースデータをデータタイプで定義されているとおりに保管します。たとえば、ケースで「Customer」という名前のデータタイプが使用される場合、「Customer」は「pyWorkPage」内の埋め込みページです。Pega Platform™は、「Customer」データタイプについて説明するすべてのプロパティ(連絡先名など)を埋め込みページに書き込みます。
子ケースを開くと、クリップボードには「pyWorkCover」ページも含まれます。「pyWorkCover」には、親ケースのケースデータが含まれています。このページにより、親ケースと子ケースの間でデータをコピーでき、親ケースから子ケースにマップされているデータがどれも正しいことを確認できます。
他のルールでのpyWorkPageの参照
クリップボード上の各ページは、「pyWorkPage」を含め、特定のクラスのインスタンスです。pyWorkPageなどのページを参照するルールを設定する場合は、参照されるページのクラスを指定します。ページのクラスを示すことにより、Pega Platformではプロパティなど、クラスに含まれるルールに対する参照を解決できます。 他のルールへの参照を含むルールを保存しようとすると、Pega Platformでは参照の解決が試行されます。ルールに1つ以上の未解決の参照が含まれている場合、Pega Platformでは保存操作がキャンセルされ、未解決の参照が通知されます。ルールで使用されるページのクラスを示すには、ルールの「Pages & Classes」タブを使用して、参照されているページとそのページのクラスを一覧表示します。次の例は、ルールの「Pages & Classes」タブに、「pyWorkPage」のクラスを識別するためのエントリーを示しています。
たとえば、自動車保険の見積もりを処理するアプリケーションについて考えてみましょう。見積もりを行うには、ドライバーの事故歴を知る必要があります。それぞれの事故記録は、特定のデータタイプのインスタンスです。ドライバーの事故歴を返し、フィルターを使用して見積もりを依頼しているドライバーの事故のみ返すレポートを作成できます。レポートフィルターが「pyworkpage」の「UserName」プロパティを使用する場合、「pyworkpage」のクラス(たとえば、「MyCo-PA-Work-Quote」)をレポートに指定する必要があります。クラスを追加すると、Pega PlatformはUserNameプロパティを参照でき、レポートフィルターが想定どおりに機能します。クラスを追加しないと、Pega PlatformはUserNameがケースではなくデータタイプの一部であると想定するため、フィルターが正しく機能しません。
以下のインタラクションで理解度をチェックしてください。
このトピックは、下記のモジュールにも含まれています。
- メモリー内のデータの表示 v7