子ケース
複雑なビジネストランザクションでは、複数のケースの作成が必要となることがあります。たとえば、自動車保険の事故の請求では、事故で車両損傷や人身傷害が発生した場合に、追加の請求を処理できなければなりません。この要件に基づき、Accident Claimケースは、必要に応じて個別の車両損傷と人身傷害のケースを生成する必要があります。 Pega Platform™では、最上位ケースと子ケースの階層を使用して、ケースリレーションシップをモデル化できます。
最上位ケースは、親ケースを持たず、他のケースの親になることができるケースです。子ケースは、親ケースを完了するために完了が必要なワークを指します。 複数の子ケースを作成する親ケースでは、ワークの処理を並行して行うことができます。各子ケースは、異なる専門知識を持つ、さまざまな担当者が対処できます。子ケースを並行して処理する場合、すべての子ケースが完了するのを待ってから、親ケースを完了する必要があります。
次の画像で「+」アイコンをクリックすると、自動車保険のAccident Claimケースの階層に関する詳細が表示されます。
子ケースは、以下を実行したいときに便利です。
- 異なる担当者が実行するワークをモデル化する
- 異なるレポートオプションに従うワークをモデル化する
- 異なる時間枠に従うワークをモデル化する
- 複数のケースタイプに共通するワークをモデル化する
カスタマーサービス担当者（CSR）、損害査定担当者、修理店がVehicle Damageの子ケースに対応できます。一方、医療請求専門家と特定の医療機関が、Body Injuryの子ケースを管理できます。
また、別のケースタイプでビジネスプロセスを実装すると、必要に応じてケースタイプを再利用できます。たとえば、自動車保険や損害保険の請求には、人身傷害の請求が含まれる場合があります。人身傷害の請求を別のケースタイプとして実装することで、自動車保険と損害保険の両方の請求で、人身傷害のケースタイプを利用できます。
ケースステップの作成
子ケースをケースタイプに追加するには、ケースライフサイクルにCreate Caseオートメーションステップを追加します。Create Caseステップを検出すると、Pega Platformは、指定されたケースタイプのインスタンスを作成します。
補足： Dev Studioには、Create Caseステップのための追加の設定オプションがあります。作成されるケースは、最上位ケースまたは子ケースのいずれかになります。さらに、複数の子ケースを作成できます。 これらのオプションの詳細については、「コンテキストケースの作成」を参照してください。
データの伝播
子ケースを作成する際には、伝播（プロパゲーション）と呼ばれるプロセスを使用して親ケースから子ケースにコピーする情報を指定できます。コピー元の親ケースのフィールドを指定し、子ケースの指定されたフィールドにその値をコピーします。この設定は、次の図に示すように、Create Caseステップで実行します。
子ケースのデータが、子ケース作成時のデータである必要がある場合には、データの伝播が適切です。たとえば、Accident Claimケースでは、事故に関する情報は変更されないため、事故に関するデータを親ケースからVehicle DamageおよびBody Injuryの子ケースに伝播することができます。
親ケースと情報の同期を維持する必要がある場合で、親ケースのデータが変更される可能性があるときは、親ケースのデータを参照する方が、より適しているといえます。たとえば、旅行アプリケーションで、顧客が旅程と飛行機、ホテル、車両レンタルの予約を作成した場合、子ケースがそれぞれの予約を処理します。顧客が旅程を変更する可能性があるため、親ケースのデータを参照する方が適切です。
補足： データを参照するには、Dev Studioで詳細な設定をすることが必要になります。
以下のインタラクションで理解度をチェックしてください。
このトピックは、下記のモジュールにも含まれています。
- 子ケースの作成 v7
トレーニングを実施中に問題が発生した場合は、Pega Academy Support FAQsをご確認ください。