継承によるルールの再利用
継承メソッド
継承を使用すると、他のケースやアプリケーション用の既存ルールをアプリケーションで再利用できます。 ルールを再利用すると、アプリケーションの品質を損なうことなく開発とテストの時間を短縮できます。
Pega Platform™では、ルールの継承にパターン継承とダイレクト継承の2つの方法を用意しています。
パターン継承
パターン継承は自動です。 パターン継承は、クラス名の構造を使用して再利用可能なルールを判別します。 対象のルールは、そのクラス階層の次に続くものの中から検索されます。つまり、パターン継承はクラス名の接頭辞を共有するクラスを検索します。 ルールは上位の階層で集約され、部門や組織全体でのユーザービリティが反映されるため、業務上の適合性に基づいたパターンの継承により再利用が促進されます。 たとえば、保険金請求の支払い処理の要素を事業部門レベルのルールセットで定義しておくと、その事業部門に属する各請求部門で再利用できます。
次の図は、保険会社(ABCIns)と2つの部門、消費者(Customer)と法人(Business)の基本的なパターン継承階層を示しています。 ABCInsクラスは自動的に、2つの子クラス(ABCIns-ConsumerとABCIns-Business)の親クラスになります。この2つの子クラス自体も、それぞれABCIns-Consumer-PolicyProcessingとABCIns-Business-PolicyProcessingの親クラスになっています。
次の画像で「+」アイコンをクリックすると、パターン継承の重要度について詳細を表示できます。
ダイレクト継承
ダイレクト継承 は、親クラスが明示的に指定されているクラス間での継承で、自動的に行われるパターン継承とは異なります。 ダイレクト継承は、標準Pega Platformルールや、ビジネスクラス階層外の他のアプリケーションのルールを再利用する場合に適用します。 ダイレクト継承は、クラスルールのフォームに記述します。 ルールは集約され、全ケースに適用するか、特定タイプのケースに適用されるため、ダイレクト継承では、機能の適合性に基づいて再利用が促進されます。 たとえば、自動車保険のアプリケーションのような特定の導入に限定されるルールもあれば、損害保険や海上保険のアプリケーションを含むすべての導入に適用できる場合もあります。
ダイレクト継承は、Work-クラスやData-クラスなどの標準的なPegaクラスに対して定義されたルールを、アプリケーションクラスが継承できるようにするオプションです。
たとえば、TGBという名前の組織を考えてみましょう。ITアプリケーションにはTicketケース、AccountingアプリケーションにはPurchase Requestケースがあります。 TicketとPurchase Requestの両方のケースタイプでは、ケースを作成したオペレーターの名前を記録するプロパティを使用します。 ダイレクト継承により、どちらのケースでもWork-Coverクラスで定義されている標準プロパティ.pxCreateOpNameが継承されます。
次の問題に答えて、理解度をチェックしましょう。
継承とルールの再利用
Pega Platformで承継によるルールの再利用を行う場合、まず親クラスのパターン継承が検索されます。 検索で見つからなかった場合、Pega Platformは別のパターン継承の検索を行い、ダイレクト継承で示された親クラスが検索されます。 このプロセスは、システムがクラス階層の最後のクラス(最終ベースクラスまたは@baseclassと呼ばれる)に達するまで繰り返されます。 Pega Platformでは、@baseclassを検索してもルールを見つからない場合、システムによりエラーが返されます。
次の例では、自動車保険の請求ケースがケースIDを格納するデータ要素を参照しています。 自動車保険の請求を含むアプリケーションは、汎用の契約管理アプリケーションに基づいて構築されます。 該当する汎用アプリケーションは、Pega Platform上に構築されます。
次の画像で、「+」のアイコンをクリックすると、Pega PlatformでケースIDデータ要素を検索する方法の詳細が表示されます。
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トレーニングを実施中に問題が発生した場合は、Pega Academy Support FAQsをご確認ください。