SLA(サービスレベルアグリーメント)
SLA(サービスレベルアグリーメント)
SLA(サービスレベルアグリーメント)では、ワーク完了の期限を設定します。 多くの場合、組織はSLAを設定して、期限内の業績達成を徹底します。 これらの義務は、非公式な応答時間の約束から交渉済み契約まで多岐にわたります。
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多くのプロセスで重要なのは、作業の適時性です。 サービスレベル(サービスレベルアグリーメントやSLAとも呼ばれる)を使用し、作業が期待通りの時間内に完了されるようにします。
サービスレベルではマイルストーンを使用して、アサインメントまたはそれらのレベルが定義されているケース全体の予想所要時間を示します。 最初のマイルストーンは「目標」です。 「目標」は、割り当てを完了するまでの時間を定義するもので、一般的にアサインメントが開始された時点から計測されます。 次のマイルストーンは「期限」です。期限とは、アサインメントにかけることができる最長時間を定義するもので、その時間を経過すると、遅延していると見なされます。 一般的に期限は、アサインメントが開始した時点から計測されます。
たとえば、リクエストが送信され、レビューされ、処理されるというシンプルなケースのアサインメントを例にとります。 管理者は受信から24時間以内にリクエストをレビューできるはずですが、そのアサインメントは36時間経過するまでは遅延とはみなされません。 リクエストの処理は最大8時間以内に終わると考えられ、2日を超えることはありません。
各マイルストーンで、アサインメントの緊急度を調整できます。 一般的に緊急度は10から100で、値が高いほど緊急度が高くなります。
たとえば、レビューアサインメントを例にとり、緊急度の変化がタイムライン上でどのように見えるか考えてみましょう。 現在、新しいリクエストのレビューが可能です。 レビューステップが開始すると、アサインメントが開始され、サービスレベルの時間測定が開始されます。
各アサインメントの開始時に、緊急度はデフォルト値(通常は10)に設定されています。 サービスレベルの時間測定が開始してすぐに緊急度を上げることもできますが、この例ではレビューアサインメントの緊急度値は10です。 そして時間が経過します。 このアサインメントの目標は24時間です。 24時間が経過してもアサインメントが完了していない場合には、緊急度が定義された数値だけ増加します。このシナリオでは、10増加します。よって、このレビューアサインメントの緊急度値は20になります。 期限が到来しても、アサインメントはまだ完了していません。 緊急度は、定義された数値だけまた増加します。このシナリオではこの値は10です。 これで、この割り当ての緊急度値は30になりました。
マイルストーンを達成できなかった場合に、緊急度値を変更するだけでなく、アサインメントをエスカレートするアクションを定義することもできます。 一般的なエスカレーションアクションには、アサインメントのオーナーやマネージャーに通知を送信する、別のユーザーにアサインメントを転送するなどがあります。
サービスレベルインターバル
各SLAは、タスクの実行またはケースの解決に必要な時間を標準化する時間のいくつかのインターバルに対応しています。
企業のタイムシート提出要件について考えてみましょう。 従業員は、1週間の勤務時間の終わりから2営業日以内にタイムシートを提出しなくてならず、3営業日より遅くなってはいけません。
次の画像で+アイコンをクリックすると、サービスレベルインターバルの詳細が表示されます。
SLA(サービスレベルアグリーメント)のタイプ
ケースタイプ、ステージ、プロセス、およびCollect InformationステップとApprovalステップでSLAを設定できます。 SLAは、ケースやステップのレベルで適用されることがほとんどですが、ビジネスケースによっては、緊急度やエスカレーションアクションを追加できるポイントを増やしておくと効果性が高まります。 異なるレベルでSLAを適用する場合、インターバルを決定する際にすべてのSLAを考慮する必要があります。
たとえば、複数のアサインメントや、ケースタイプにSLAを設定します。 ケースのSLAインターバルを決定したら、ケースに割り当てられた合計時間に基づいて、各アサインメントにSLAを定義できます。 SLAを適用する場所が増えれば増えるほど、ケースやケースタイプ全体で優先順位の調整が複雑で難しくなります。
以下の画像の+ アイコンをクリックすると、自動車保険会社の見積のリクエストのケース例で、さまざまなタイプのSLAについて学習できます。
ワークの優先順位付け
Pega Platform™では、緊急度に基づいてワークの優先順位が決められます。 ビジネス要件によっては、期限に基づいてワークの優先順位を決めることができます。
緊急度ベースの優先順位付け
緊急度とは、アプリケーションの未完了のワークを可視化する数値です。 緊急度には、大きく分けて2つのタイプがあります。
- ケースの緊急度はケースの優先度を表します。 たとえば、病院の患者レコードを管理する親ケースタイプでは、現在のレコードを更新する子ケースは、過去のレコードを転送する子ケースよりも優先度が高いかもしれません。
- アサインメントの緊急度はアサインメントを完了する優先度を表します。 たとえば、新規患者の情報収集は、既存患者の処方箋の送付より優先順位が低いかもしれません。
アサインメントの初期緊急度は、ケースの緊急度値と同じになります。 デフォルトでは、ケースの緊急度は10です。
インターバルごとに、1~100の値を定義して緊急度を上げます。 最大の緊急度は100です。 緊急度の値が高ければ高いほど、ワークアイテムへの対応の重要度が増します。
次の表でタイムシート例の緊急度の値を見てみましょう。
開始 | 目標 | 期限 | |
---|---|---|---|
時間のインターバル | 0時間 | 48時間 | 72時間 |
緊急度を上げる | +0 | +10 | +10 |
緊急度 | 10 | 20 | 30 |
アサインメントは次のインターバルに進むにつれて緊急度が高くなります。
アサインメントの優先度
Pega Platformアプリケーションでは、アサインメントの緊急度はアサインメントの優先度を示します。
Pega PlatformのGet Next Work機能は、緊急度の低いタスクの前に緊急度の高いタスクを割り当て、アサインメントが予定どおりに完了するようにする仕組みです。 ユーザーが実行できる複数のアサインメントの中で、「Get Next Work」は緊急度の数値が一番大きいアサインメントを優先します。
期限ベースの優先順位付け
多くの組織では、緊急度ではなく、期限を重視してSLAを作成することの利点が認識されています。 ケースタイプによっては、ワークの優先順位付けに関係する最重要な情報として、緊急度ではなく、時間をベースにした期限が使われることもあります。 たとえば、Mortgage loanケースタイプについて、ケースが送信されたタイミングのみに基づいて優先的に処理できます。
ソフトウェアライセンス購入のケースタイプについて考えてみましょう。 複数のケースインスタンスが、さまざまなタイミングで作成されます。 カスタマーサービス担当者(CSR)はケースごとに複数のアサインメントに対応し、購買部門やマネージャーの役割ではケースごとに1つのアサインメントに対応します。 次の画像で、+ をクリックして、作成時間の異なる3つのケースインスタンスで、期限ベースのアサインメントの優先度がどのように設定されるか学びましょう。
エスカレーションアクション
エスカレーションアクションとは、指定されたSLAに基づいて、完了時間の短縮のためにアプリケーションが実行するアクションです。 サービスレベルアグリーメントには、以下のようなエスカレーションアクションを設定できます。
- 担当者、マネージャー、参加者に通知します。
- タスクを再割り当てします。
- 目標を達成または期限が到来したらケースを完了します。
以下のインタラクションで理解度をチェックしてください。
このトピックは、下記のモジュールにも含まれています。
- 時間内でのワークの完了 v4